鴨せいろ
一、三八〇円
名物の一品。手打ちの二八蕎麦を、鴨の旨みがほどけるつゆとともに、香り高くお召し上がりいただく仕立てです。
派手さではなく、挽きたて、打ちたて、香り立つ一杯。その積み重ねを、余白のある空気ごと味わっていただくための店です。
千寿庵では、毎朝石臼で挽いた自家製粉を用い、二八蕎麦を一枚ずつ丁寧に打っています。口に含んだときの香りと、のどを抜ける軽やかさを大切にしています。
創業から四十五年。長く通う方にも、初めての方にも、蕎麦そのものの輪郭がまっすぐ伝わるよう、余計な足し引きをしない一杯を心がけています。
昼には行列のできる店として親しまれていますが、目指しているのは、せわしなさではなく、整った一食の心地よさです。
全幅に広げず、余白の中で切り取ることで、店の空気と蕎麦の輪郭が静かに伝わる見せ方に整えています。


